イソップ童話で「猫の首に鈴を付ける」という話があります。
内容は、ネズミたちが天敵の猫から身を守るため猫の首に鈴を付け、鈴の音が聞こえたらいち早く逃げようという、実にナイスなアイデアを思い付いたものの、肝心の「猫の首に鈴を付ける」という危険な役をやる者が誰もいなかったというお話です。誰でも危ない橋を渡るのは嫌ですからねえ。
また逆のパターンで、こちらが鈴を付けて相手に自分の接近を知らせるというのもあります。登山者などがクマ除けに付ける鈴がそうですし、サンタクロースもこれ見よがしに鈴をシャンシャン鳴らしながらやって来ます。私も子供の頃、干し柿を二個もらいました。クリスマスという特別の日に、そんな普通のおやつレベルの物はあまりうれしくなかったです。
それから鈴の音で人を呼び寄せるというのもあります。
たとえば少人数でやってる宿やお店で、カウンターの上に置いてある鈴(ベル)を鳴らすと奥から人が出て来たりします。あとロバのパン屋もそうですね。あー、そういえばコルカタの人力車夫も鈴を鳴らして客寄せをしていました。
まあとにかく、鈴の音というのは自分(または相手)の居場所を知らせるには打って付けの方法なわけです。
なので大切な家畜の首にも付けたりします。
これはインドのヤギですが、首に巻かれた紐に小さな鈴が付けられています。
上の写真では小さくて良く見えませんが、その鈴はこんなやつです。
こういう鈴をヤギに付けておけば、誰んちのヤギだかすぐわかりますし、またヤギがどこにいるかもわかるというものです。
そんな家畜用の鈴(アニマルベル)をインドからたくさん仕入れました。
実際に使われていたものということで、仕入先で汚れたまま山になっていた中から、良さそうなものだけを選び出して来ました。
鈴の汚れはある程度あちらできれいにしてから日本に送ってもらいました。
きれいになった鈴(といってもピカピカではありません)をあらためて見てみると、かなり使い込んですり減ったものや、ほとんど使っていないように見えるものまでいろいろありました。
鈴の形や大きさも様々で、そこに汚れやキズ、へこみ、ゆがみなどが加わって来ますので、それぞれ違う個性があります。
ご興味がありましたらぜひこちら「動物の鈴・アニマルベル」でご覧ください。
あー、鈴でお客さんを呼ぼうとしているのは、コルカタの人力車夫と同じだなあ。