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思わず足を止めさせる香り:ムンバイ

         
  • 公開日:2010年8月16日
  • 最終更新日:2022年6月3日

その時私はマニ・バワン(ガンディー記念館)からヴィクトリア・ガーデンへ行こうと、ムンバイの地図の記憶と太陽の位置を頼りに、おおよその見当をつけて歩いておりました。
時刻はすでに12時をかなり回っていましたので、さすがにそろそろお腹が空いてきたなあ~、と思ったところに通りがかったのがこの店でした。実は私、一度はこの店を横眼で見ながら通り過ぎました。
でも、どうしても気になって引き返して来たのです。

インドでよく見かける大衆食堂であるこの店の、いったいなにがそんなに気になったのかと申しますと、店頭でシシカバブ(シークケバブ)を焼いていたからなのです。どうやらこの辺りはイスラム教徒が多く住む場所のようで、店の前の通りも「M.S. ALI ROAD」となんともそれっぽい名前なのですが、こうして串刺しの肉を焼いている店がここ以外にもたくさんありました。
なのになぜかこの店が気になり、ここに入ってみたのであります。

店に入って一旦はテーブルに着いた私でしたが、メニューなど見るより(そもそもメニューなんてなかったかもしれませんが)こっちの方が手っ取り早いと思い、もう一度席を立つと店頭へ行き、今まさに焼かれているシシカバブを指差し、「これこれ、これをちょーだい」と言ったのでした。

間もなく運ばれて来たステンレスのお皿には、シシカバブが2本乗っていました。またその横には付け合わせの香草とオニオンスライス、それに緑色のソースとレモンも付いています。
それから頼んでもいないのに(これが基本セットなのかもしれませんが)ローティーが2枚運ばれて来ましたので、こいつにシシカバブ、香草、オニオンを乗せ、ソースを塗ってレモンをかけ・・・って、まあ早い話が皿に乗っているもの全部を総動員して「シシカバブ・ロール」にして食べるのであります。

う~ん、焼きたての上にスパイスもよく効いていて実においしいです!

ビールがないのがとても残念でしたが、わざわざ近所の店から持って来てもらったコーラを飲みながら、あっという間に食べてしまいました。

これでコーラ代(600mlのものなのでたぶん15ルピー←間違えました。22~25ルピーします)も含めて30ルピー50パイサ(約61円)でした。

最後に店内の様子を写真に撮ろうと店のおっさんに許可をもらおうとしたところ、「それならこいつの写真を撮ってやってくれよ」と言われて撮ったのがこの写真です。このおにいちゃんはこの店のボーイさんで、彼がいろいろ世話を焼いてくれました。実は私は付け合わせの香草がちょっと口に合わず、そのために一つ目のロールに多めに入れて我慢して食べていたのですが、私の皿の香草が残りわずかになったのを目ざとく見つけた彼は、親切にもそれを補充してくれたのでありました。

見知らぬ外国人に親切にしてくれて、本当にありがとうございました。

それから、結局香草を残しちゃってすみませんでした。

できれば今度からカイワレダイコンにして欲しいなあ、それからビールも飲めたらなあ、なんてことを思いながらも、でももしそんな風になっちゃったら異国ならではの面白みが半減してしまうだろうなあと思ったりしたのでありました。

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インドの伝統工芸細密画