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避暑地にはエコカーがよく似合う・・・かな?:マウント・アブー

         
  • 公開日:2010年7月13日
  • 最終更新日:2022年6月3日

マウント・アブーではこんな手押し車をよく見かけます。箱の前には「CHA CHA CAFE」なんていうお店の名前らしきものが書いてあったりしますので、初めのうちはそういうお店が自店の商品や材料などを運ぶために、トラック代わりとして使っているのだと思いました。

しかし通りに面した食堂で食事をしていましたら、ふと視界の端っこに人を乗せた手押し車が通り過ぎるのが見えたのです。しかも乗っていたのは大人のようでした。

ところが食事を終えて外に出ても、人を乗せている手押し車なんてのはどこにも見えず、代わりにこうしてタイヤを運ぶ少年の手押し車が通り過ぎて行くのでした。ふむふむ・・・この手押し車は自家用というのではなく、お金を取って物を運んでいるいわば営業車なのだな。

でも箱の大きさや形からして、ここに人が乗るのはちょっと違和感があるよな。
きっとさっきのはふざけて人が乗っていたのだろうな。

と思ったわけですが、ところがどっこいそうではなかったのです。

ほら、昼下がりのバスターミナルで、ついに人の乗った手押し車を発見致しました。えっ? これはただ手押し車のおっさんが、自分の車に乗って居眠りしているだけだろうって?

はい、確かにこれは「人を乗せている」とは言えません。

それではいよいよ正真正銘の「人を乗せている」姿をお見せしましょう!

ここはマウント・アブーのサンセット・ポイントに近い駐車場です。
まあ近いと言ってもここからまだ少し坂道を登らなければならないのです。そこで、夕日を見るためにバスでやって来た観光客を目当てに、例の手押し車が群がって来るのです。
はい、もちろんこの手押し車に人を乗せて坂道を登るためにです。
夕日は見たいが坂を登るのはいや、という人はどこにでもいるものなのです。

と言ってる間にも手押し車はそうした横着な・・・いえ、かよわき女性を乗せて坂をぐんぐん登り始めました。そのスピードはなかなかのもので、なにも荷物を持たずに身軽に歩いている私をさっと追い抜き、あっと言う間にその姿は小さくなって行きました。

なにしろこの夕暮れ時は稼ぎ時でありますので、駐車場とサンセット・ポイントを何回往復できるかが勝負なのでしょう。

ほら、この手押し車はサンセット・ポイントでお客さんを降ろし空荷で戻って来たものですが、ものすごいスピードで駆け下りて来ました。しかも勢い余って前輪が持ち上がり、ウィリー走行なんかやっちゃってます。とまあ、結局この手押し車は人も運ぶし荷物も運ぶというもので、形は違えど「人力車」というくくりになると思うわけです。

人力車と言えばインドではコルカタにだけ存在し、そしてその人力車も新たな営業許可が出ないということで近い将来消えゆく運命にあるのですが、ここマウント・アブーの人力(手押し)車に関しましては、そのちょっとユーモラスな姿(大人が乗ってるところなんてのは特に)と今流行りの環境に優しいスタイルを武器に、今後も明るく元気にたくましく生き抜いて行くのではないかと思う次第であります。

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インドの伝統工芸細密画