尻がもぞもぞするほどの細かさなのだ・インドの細密画

インド人は実に大雑把です。

もっともインド人もいろいろですので、みんながみんな大雑把かといえばもちろんそんなことはないわけですが、そこをあえてステレオタイプな見方と断った上で言えば、やはり大雑把と言わざるを得ないでしょう。

たとえば時間に関してはホント大雑把で、インド人の言う5分は日本人の30分、インド人の言う3日は日本人の一週間以上ということがよくあります。
またインド人はやたらと「ノープロブレム」という言葉を使い、発生した問題をあいまいにしてしまうのですが、実際そう言われると少し気楽になることもあり、そんな時はインド人の大雑把さ、いや、おおらかさに救われた気がします。

まあ「大陸気質」に対して「島国根性」なんていう言葉がありますので、世界的に見たら日本人の生真面目さや細かさの方が珍しいのかもしれません。
インドにしばらくいてインド流に慣れて来ると、それが結構快く感じられるようになり、日本にいる時はなんであんなことでイライラしていたのかなあと不思議に思ったりするほどです。

さて、そんな風にとかく大雑把なイメージのあるインド人ですが、こと手工芸の世界になると、実に細かい作業をこつこつやっていたりして驚かされます。

細密画の工房を見せてもらった時もそうでした。

工房には数人の職人(画家というより「職人」て感じなんですよね)が床に置いた座り机に向かい、一心に細い筆で絵を描いていました。

インド・細密画の制作風景

一日中ここに座り絵を描いている。

突然の闖入者が間近に寄ってジロジロのぞき込んだりカメラのレンズを向けたりしても、少しも心乱すことなく、正確な線を引いて行くのです。

インド・細密画の制作風景

使うのはリスの毛で作られた細い筆一本。

見ているこちらの方が尻がもぞもぞしてしまうような緊張感でしたが、たぶん職人さんの方は「緊張」というのはまったくなく、鍛え上げた腕で黙々と絵を描いているといった感じなのでしょう。

インド・細密画の制作風景

筆を洗っては色を変え、鮮やかな世界を描き上げてゆく。

そしてそんな技の集大成、いや、本業の絵からしたらほんの余興(?)として、この工房のマイスターが私の名前を米に書いてくれました。

インド・細密画の制作風景

心をコメて米に字を書く。

文字はアルファベットでしたが、いやはやさすがだなと感心いたしました。
もちろんその米は今でも大切にしまってあります。
ただ大切にしまい過ぎてどこにあるのか・・・

まあそれはともかくといたしまして、今回はインド人の手先の器用さと細かい作業をし続ける精神力を、ちょいっとご紹介させていただいたのでありました。

そして、そんな細かい地道な作業の結晶にご興味をお持ちいただいた方は、ぜひこちら「インドの細密画その1」もご覧いただきたいと思う次第であります。

またインドの細密画は「ラクダ隊商パインズクラブ楽天市場店」にて販売しております。

*すでに売り切れている場合もございます。その際は何卒ご容赦願います。

インドの伝統工芸細密画