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壊す人が悪いのか、壊れる物が悪いのか・インドのバスの設備

         
  • 公開日:2017年9月20日
  • 最終更新日:2022年7月5日

グジャラート州で利用した路線バスのシートに穴が開いていた。

その穴はシートの背面、つまり自分が座っている目の前の軟質プラスチックカバーに開いたもので、横一文字にスリット状になっていた。

インド・路線バスの設備

背もたれに開けられた謎のポケット

初めは、乗客の膝に押されてプラスチックが裂けたのだろうと思った。なにしろ路線バスのシート間隔は狭いので、足を組むと膝が前の背もたれに当たるのである。
しかしよく見ると隣のシートの同じ位置にも裂け目がある。みんなして右ひざを上げる姿勢でぐいぐい押したのであろうか。

そこで周りを見渡してみた。
そしたら隣のシートはほぼ原形をとどめていた。

インド・路線バスの設備

これが現役として使われたのはどれくらいの期間なのだろうか。

なるほど、これはもともとボトルホルダーだったのだな。ボトルの底を支える突起部分が取れて穴が開いたというわけなのだ。
今ではボトルの胴体を保持する紐も悲惨な状態になっているが、乗客サービスのひとつとして設置されたのであろう。

しかし普通にペットボトルを置いただけで壊れるとは思えない。
もしかしたらこれは、乗客たちが足を乗せて壊したのではないだろうか。
インド人はバスなどのシートに座る時にも、片足だけ膝を抱えるように折り曲げて座ったりすることがあるので、ここに足を掛けたとしてもなんら不思議ではない。私ももう少し体が柔らかかったらやりそうである。

ということで、これは壊れるような物を作った方が悪いのだと思う。
なにしろ同じような壊れ方をしているものが多数あるのだ。それは設計者の意図を逸脱した使い方をする乗客が多いということで、それはそのまま乗客の行動パターンを理解せずに設計してしまったということに他ならないのである。

つまり、次はもっと頑丈なボトルホルダーを・・・ではなく、フットレストこそ作るべきであろうと思うのである。

インドの伝統工芸細密画