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2001年5月10日(木)着陸・2001年インドの旅第3回

         
  • 公開日:2009年10月7日
  • 最終更新日:2022年6月23日
〔当時のメモより〕

機内誌のルートマップによるとヒマラヤ上空を飛ぶ予定。
現在成田を出発して約5時間、時間の配分で計算すると8分の5となるのでそろそろヒマラヤ上空に達すると思われるが、窓の外は雲が厚く下がなにも見えない。
機体もわりとよく揺れている。(13:34 インド時間)

14:20頃一度地上が見えたが低山があるだけだった。
相変わらずよく揺れる。

15:55 もくもくと湧き立つ雲

16:14 二度目の機内食
早くも日本茶がうまい!!
だいたい機内が冷えすぎ!! 外に出るのが怖い!!

食器セットに付いていたヨウジ、お手ふき、塩をいただく。(今後のため)

17:07 まだ着かない・・・シートベルトのサインも出ない。
予定より出発は早まったのになぜだ Air India!!

17:20 まだ着かねえぞ・・・シートベルトサインも・・・
と書いていたら点いた!! シートベルトサイン!!

しかし周りが真っ黄色だぞ、どうした!!
あ~高度が下がって来た、でも何も見えない。
黄色いキリの中だぜい!!

17:33 着陸 気温43℃ 曇り(黄色いモヤ)

【以下の解説は2009年10月7日のものです】

私は飛行機に乗ると必ず機内誌に載っている飛行ルートを確認します。
それは略図ではないちゃんとした地図に描かれたルートなのですが、JALなどではこれがかなり正確で、たとえば沖縄の上空を飛ぶことになっていればちゃんと窓から沖縄本島が確認できたり、フエ(ベトナム)上空を通過するルートになっていれば美しい海岸線が見えたりと、地図と下界を見比べながら飛ぶのはなかなか楽しいのです。
ところがです、エア・インディアの機内誌に掲載されている飛行ルートはかなりいい加減なものらしく、そのルートでは中国に進入した後ヒマラヤ山脈の上空を飛ぶことになっていた(少なくとも私にはそう見えました)のですが、実際にはそうではなく、上海から昆明を通り、ラクナウ、デリーと進むルートでありまして、つまりはヒマラヤははるか右手に見ながら飛んでいたのであります。(機長の挨拶をちゃんと聞いていれば、飛行ルートの説明もあったはずなのでわかったと思うのですが・・・聞いていませんでした)

でも晴れていれば小さくとはいえ右手にヒマラヤ山脈が見えるのでありまして、この時も右側の席を確保していた(Mくんが窓側の席でしたが、機内はガラガラ状態だったので私はひとつ後ろの席に移動していました)ので右手なら見えたわけです。
ところが外は雲が厚くてほとんど何も見えません。たまに雲が切れて地上(この時はまだヒマラヤは真下に見えると思っていたわけです)が見えても、そこには茶色い低い山の連なりが見えるだけで、雄大なヒマラヤはついに見ることができませんでした。

*その昔パキスタンに行った時もカラチ経由で行ってしまったため、北京経由のパキスタン航空なら見える(可能性のある)ヒマラヤ上空からの絶景を見ることができなかったので、今回はぜひ!と意気込んでいたためとても残念でした。(って、エア・インディアはヒマラヤ上空を飛ばないんだよ!)

そうこうしているうちに二度目の機内食が配られました。

エアインディアの機内食今回の食事は焼き鳥風のものと春巻という妙な組み合わせです。

食事のサービスの時にもらった日本茶がとてもおいしく感じたのですが、それはまさか早くも日本の味が恋しくなったというわけではなく、ただ単に喉の渇きと冷えすぎた機内の温度によるものだったのです。メモにも書いてありますが、こんなに冷えた体で酷暑季のデリーに降り立ったらいったいどうなってしまうのだろうか?と不安になるほどでした。

さて、このあたりからメモの文中に「!!」マークが多用され始めますが、これは飛行機があまり好きではない私が長いフライトで少々じれてきているためでありまして、それは17時を回ったところで顕著になり始め、到着予定時刻10分前の17時20分には精神的にかなり限界に来ているのがよくわかります。

そしてついにお待ちかねのベルト着用サインも点灯し、いよいよ機はぐんぐん高度を下げて着陸態勢になって行くのでありますが、窓から見える風景はただただ真っ黄色でありまして視界なんてなんにもないのです。なのでここからの「!!」マークはさきほどの「じれ」から来るものとは違い、墜落するのではないのか!!という恐怖心から来ている「!!」なのであります。

実はこの黄色いモヤの正体は、デリー南西部の砂漠から季節風によってはるばる運ばれて来る細かい砂でありまして、この時季のデリーに現れる自然現象なのです。そしてその影響でしばしばフライトスケジュールが狂ったりするのでありまして、実際危険なわけで決して笑い事ではないのです。

とまあ、そんな悪天候の中ではありましたが、ボロ飛行機を巧みに操るエア・インディア操縦陣の腕前のお陰で、われらがAI307便はほぼ定刻インディラ・ガンディー国際空港に無事着陸したのでありました。

つづく

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インドの南京錠