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インド:ガンディーははるかかなたに・生誕140周年

         
  • 公開日:2009年10月2日
  • 最終更新日:2022年7月11日

10月2日はかのマハトマ・ガンディー(モハンダス・カラムチャンド・ガンディー)の誕生日です。生まれた年は1869年ということですので、今年が生誕140周年にあたるわけです。ガンディーはその独創的とも言える運動で、インド独立への道を切り拓いたわけですが、そんな一連の運動を代表するものはなんと言っても「非暴力」でしょう。ガンディーはすべての暴力を否定し、「真理」を心に強く抱くことでそれに対抗したのであります。

そんな「偉大なる魂」を輩出したインドでありますが、インド人もやはり暴力は振るうわけです。
先日代々木公園で開催されたナマステ・インディア2009でもインド人のケンカ騒ぎがありました。

それは2日目の夕方すでにあたりが暗くなってからのことでした。私は自ら出店したブースの前で、立ち寄ってくれた友人と立ち話をしていました。すると左手前方からなにやら異様な雰囲気を漂わせた一団がこちらに突進して来ます。「あれ?何だろう?」と見てみれば、一人のインド人に別のインド人がつかみかかりこぶしを振り上げているではありませんか。さらにその後ろからは掴みかかっている男に加勢をする形で二人のインド人が付いてきています。あー!ケンカだケンカだ!
ついに逃げる男にパンチが2発3発と繰り出されました。そして一団は移動のスピードと勢いを増し、そのまま隣のお店へなだれ込み、新たなパンチが繰り出され、テーブルは傾き棚は押されそれはもう大混乱です。
当然店主は怒り一団を外へ追いやりました。そして追い出された一団はだんご状態のまま今度は私のお店へとなだれ込みそうになりましたからたまったものではありません。私は「やめろ!」と叫んで必死に一団を押し戻しました。

その時です、

私が両手で押し戻そうとした一団の先頭になっていた男、つまりは3人の男たちに追われ殴られていた男が、私の目を見て「申し訳ない」という表情をしたのです。

私はその男の目を見て急に自分が恥ずかしくなりました。私はその時までこのケンカの一団をすべて「悪い奴ら」と決め付け、自店に災禍が降りかからんとする事態に陥った場合は、速やかに戦闘的自衛権を発動し、その全力を持って防衛にあたると、まあそう思っていたのです。
しかしよく考えてみたら、この場合(ケンカの原因はなんにせよ)一方的に殴られていた男は被害者であり、またそれ以前にひとりの人間であったわけです。
それを私は、お店の商品が棚から落ちて壊れたりしたらやだなあという、いわば自分のことしか考えておらず、ケンカ自体をやめさせるとか、その男を助けるとか、そういうことにまったく思いが巡らなかったのであります。

まあ私は到底ガンディーのようにはなれない人間ではありますが、せめて必死にケンカの仲裁に入ろうとしていたボランティアの人や、その両腕を大きく広げ店への侵入を阻止してくれようとしていた友人のように、冷静かつ的確な判断ができるようになりたいなと思った次第であります。

でもその前に、やっぱケンカはやめろよな!

動物の鈴・アニマルベル