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南インドの休日:その21 / アレッピーからコヴァラムビーチへ

         
  • 公開日:2015年9月16日
  • 最終更新日:2022年6月7日

ハウスボート乗り場(ボートから降りたので「降り場」か)からあぜ道のような狭い道を歩いて表通りに出ると、そこには昨日のタクシードライバーがいました。
南インド、ケララ州のタクシーと言っても彼は偶然いたわけでも、ハウスボートからの下船客を当て込んで待っていたわけでもなく、私が頼んでおいたのです。

もともとここから次の目的地のコヴァラム・ビーチまではタクシーで行こうと思っていたところ、昨日の降り際に彼が自分を売り込んで来たのでした。
彼の言うところでは「その辺のタクシードライバーに聞いたら、コヴァラム・ビーチまでは4000ルピー以上かかると言うことだったが、おれなら3600ルピーで行くけど、どうか?」とのことなのです。
インドなので相手の言い分をそのまま鵜呑みにすることはできませんが、タクシー料金に関しては私も事前にネットで調べていて、このルートには5000ルピーの予算を組んでいました。もっともこれはかなり大雑把な予算であり、充分過ぎるほど大目に見積もっての金額ではありましたが、距離からして確かに4000ルピーは妥当な金額だと思えます。なにしろアレッピーからコヴァラム・ビーチまでは160Km以上もあるのです。
それが3600ルピーと相場(彼の言による)より一割も安くなり、さらに私の予算から見たら1400ルピーも下がったので言うことなしなのです。

それでまあ彼に決めたというわけなのですが、すでに一度利用して悪い思いをしていないので、同じタクシーというのは安心できるのでその点でも楽なのです。南インド、ケララ州のタクシーと言うわけでさっそく車に乗り込むと、ドライバー氏は助手席の背もたれの背後にあるジッパーを開け、そこから5本のビールを引っ張り出しました。
そう、これも私が事前に頼んでおいたものなのです。
なにしろ今日(日曜日)はドライデーで酒屋が休みなのです。
そしてこれから向かうのはビーチサイドのリゾートなのです。
ビーチリゾートに行って酒がないなんてことが許されるでしょうか。いや許されません。決して許されるはずがないのです!
なので昨日の別れ際に「ビール5本買っといてくれる?できればキングフィッシャーね」と言って400ルピー渡しておいたのです。

彼が買っておいてくれたのは確かにキングフィッシャーでしたが、ストロングというアルコール度の高いものでした。
こいつはてっとり早く酔いたい人にはいいのですが、とにかくうまくないのです。どんな味かと言うと、ビールにウイスキーを混ぜたようなチャンポン的な味なのです。

でもないよりはマシです。
いや、マシなんて言い方をしたら罰が当たるでしょう。
なにしろコヴァラムビーチへの道々ドライバー氏といろいろな話をしていたら、彼がイスラム教徒であることが判明したのです。
イスラム教徒は酒を飲みません。それどころか酒を忌避します。
そんな人に酒の購入を頼んでしまったのです。
知らぬこととはいえ、大変申し訳ございませんでした。

なのでこのキングフィッシャー・ストロングは、じっくり味わい、ありがたく飲ませて頂くことにいたします。感謝感謝。

車は途中でガソリンスタンドに寄りました。
こうしたことはインドではよくあることです。
そしてドライバー氏は私に、ガソリン代として1000ルピー(約2000円)の前渡しを要求しました。
これもまたインドではよくあることですが、当然ガソリン代はタクシー代に含まれていますので、最後の支払いの時に前渡し分を差し引くことを忘れてはいけないのです。

ガソリン代は1リッターが57.48ルピー(約115円)でした。
インドの物価感覚からすると、ガソリンの値段は日本よりだいぶ割高なものになるでしょう。南インド、ケララ州のガソリンスタンドガソリンは私が渡した1000ルピー分全部使っても17.40リッターしか入りません。
アレッピー-コヴァラムビーチの往復は320Km以上あります。仮に燃費をリッターあたり20Kmとするとちょうどそのくらいで済みますが、彼はフォート・コーチンから来ているのでおそらく400Km以上走ることになり、手にするタクシー代のかなりの部分がガソリン代に消えて行ってしまうことになります。

途中少し雨が降ったりしましたが、車は順調に走って行きます。南インド、ケララ州のタクシー今夜の宿は「ホテル・シーフェイス」というところで、これも事前にネット予約したものです。
途中でドライバー氏が道順を確認するためにホテルに電話をしてくれましたが、アゴダ(ホテル予約サイト)の発行したバウチャーにある電話番号にはつながりませんでした。
コーチンに到着した日、空港タクシーのドライバーも同様にホテルに電話をしたがつながりませんでした。
アゴダに登録されているホテルの電話番号は、軒並みダミーででもあるのでしょうか。

コヴァラムビーチでは灯台の近くの、その名もライトハウスビーチという海岸沿いが、レストランやホテルがたくさんあって便利なのです。
今回泊まるシーフェイスもライトハウスビーチの端っこあたりに位置するのですが、タクシードライバーに「ライトハウスビーチ」と指示すると、灯台のある突端を回り込む道に行こうとしてしまい、結果ものすごく遠くなってしまいます。
で、そんなところに行く予定のない人にははなはだ余計な話になってしまうのですが、行先を指示するときには下手に「ライトハウスビーチ」とは言わず、隣接した「ハワビーチ」もしくは「リーラ・ホテルの(バス停でひとつ)手前」を指示すると良いでしょう。
狭いけどビーチまで車で下りて行ける道もありますし、坂の上で車を下りて歩いてもたいしたことはありません。私はここに来るのが三回目だったので、電話がつながらず不安がるドライバー氏に道順を指示し、無事にホテルに到着したのでありました。

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