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インド :鎖国が生んだ飲み物・カンパコーラ

         
  • 公開日:2006年11月14日
  • 最終更新日:2022年6月24日

今のインドでは、都会でも田舎でもコカコーラやペプシコーラのロゴや看板が普通に見られます。

なんて書きますと、「あたりまえじゃん・・・」という反応が返って来るかもしれません。
確かにアメリカ生まれの二大コーラブランドは、世界中のどこへ行ってもお目にかかれるものかもしれません。

しかし!

インドでそのブランドのコーラが飲めるようになったのは、90年代初頭の経済開放政策実施後なのであります。

では、それまでインドではコーラが飲めなかったかと言うと、そんなことはありませんでした。
その頃は、インド国産の「カンパコーラ」というものがあったのです。私も初めてインドに行った時に飲みましたが、味は二大メーカーのものに比べても、それほど遜色なかったように記憶しております。もっとも、コークとペプシの違いを飲み当てるような方には、比較にならないほど味が違っていたのかもしれませんが。

実はこのカンパコーラ、完全なインド開発の国産品ではなく、コカコーラのノウハウを引き継いで生産されたものなのです。

かつてコカコーラはインドにも進出していました。
しかしやがてインド政府の政策により、海外資本のコカコーラは撤退せざるを得なくなり、その跡をインドのパートナー企業が継ぎ(分捕り?)「カンパコーラ」のブランド名で市場を独占したということなのです。

つまりカンパコーラは、インドの経済鎖国によって生まれた時代の申し子とも言えるでしょう。

80年代までインド人の喉を潤し、インド旅行者の帰国後の話題のひとつにもなっていたカンパコーラは、市場開放後急激に市場から駆逐されてしまいました。

そして今、その姿はわずかに古い商店の消し残った看板にのみ見ることができるのであります。

インドの南京錠