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完璧さよりインパクトを狙ったってえのかい:インドの看板

         
  • 公開日:2014年8月1日
  • 最終更新日:2022年7月25日

私が子供の頃、絵、とりわけマンガを上手に描ける子というのは少なかった。
なのでちょっとしたイラストが描けるだけでクラスの人気者になれたものである。

夏休みの午前中に「夏休みまんがまつり」みたいなタイトルで、再放送のマンガ(当時はアニメなどとは言わなかった)を毎日2~3本立て続けに放映していて、その最後に「明日もまた見てね」と書かれたボードが映し出されるのだが、そこに描き加えられていた絵がひどかった。
その絵は直前まで見ていたマンガの主人公の顔なのだが、なんとも稚拙でとてもテレビの電波に乗せるようなレベルのものではなかった。
それほど当時の日本人の絵のレベルは低かったのである。

その点今の子は絵がうまい。もちろん全員がうまいわけではないだろうが、絵がうまい子がとても多い。

おそらくそれは環境のせいなのであろう。
なにしろ日本はアニメ大国であり、今やマンガは日本を代表する文化に成長しているので、そんな環境の中では、絵(マンガね)を見たり描いたりする機会も多くなり、自然と上手に描けるようになるのだと思う。

そんな日本からは、かつての「まんがまつりの絵」みたいなものはすっかり消えてしまったが、インドにはまだまだそういう味のある絵がたくさん残っている。

さてそれでは、これが何の絵だかおわかりになるだろうか。

これはインドで見かけたお店の看板の絵なのだが、はたしてこの店は何を扱っているのだろうか。


これがその看板の全体像である。左側に描かれているのはニワトリなので、ここまで見たらもうおわかりになるかもしれないが、先ほどの絵はニワトリのタマゴということになる。

ということで、ここはタマゴ屋なのである。もしかしたら求めに応じてトリ肉もさばいたりするのかもしれないが、少なくとも私が見たときは、たった一つの机の上にタマゴを何ケースか置いただけの、妙にがら~んとしたタマゴ屋であった。
そして店番のあんちゃんもなんだかあまりやる気がないように見えた。

なのでせめて看板の絵くらいもっとわかりやすく描いたらいいのにと思うのだが、もしかしたらあまり完成度が高すぎると返って記憶に残らないものなので、このくらいの下手さ加減がインパクトがあっていいのかもしれないな。

なにしろ40年以上も前に見た「まんがまつりの絵」がまだ記憶に残ってるくらいだからなあ。

インドの伝統工芸細密画