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その35:アンベール城の鏡の間の説明

         
  • 公開日:2009年2月3日
  • 最終更新日:2022年6月23日

これが鏡の間(正確にはその周辺部)の壁面に施されている装飾です。白く光って見えるところがすべて鏡と言うわけです。そもそも私たち人間にとって「鏡」というものは、わが身や風景を映し出す水面に始まり、表面を磨いて作る銅鏡などの金属鏡を経て、現在一般的に使われているガラス表面(背面?)にアルミニウムなどを蒸着させたものへと進化して来たわけですが、素材は何であれ、二次元的平面に広がる世界に対してはある種の畏怖を持って接していたところがあり、ある時代や宗教では鏡を祭祀の道具として使い、ミラーマンやひみつのアッコちゃんは変身の道具として来たのであります。テクマクマヤコン、テクマクマヤコン。遊んで暮らせるお金持ちになぁ~れ。

またインドでは布や衣服に鏡を縫い付ける「ミラーワーク」と呼ばれるものがあり、そいつは装飾のためだけでなく魔除けの意味も込められているのです。
なのでこの部屋も、単に「鏡はキラキラしてきれいだなあ」というだけでなく、「邪悪なものは絶対この部屋には入れないからね」という意味もあるかもしれません。

そんなことをいろいろ思いながらこの部屋の装飾を見ておりましたら、埋め込まれている鏡が平面鏡ではなく凸面鏡であるということに気付きました。これはおそらく、平面鏡が一方向に集中して強い光を反射するのに対し、凸面鏡は弱いながらも多方面に光を反射するという性質を利用し、どの角度から見ても必ずどこかの鏡のどこかの部分が光って見えるようにしたのではないかと思うのであります。

しかも凸面鏡なら実際より太って映るので、日頃からダイエットに気を付けるようになるという効果も・・・

いや、そうじゃないぞ。

なにしろついこの間までインドでは、「太っているのが良いこと」とされる風潮がありましたので、逆にこの凸面鏡はより魅力的に見せるためのものだったかもしれないなあと、そんな風にも思う次第なのであります。

なんだか今回はいろんなことを思っちゃったぞ。

*すべて2008年3月時点の情報です。

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木彫りのガネーシャ