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第32回:ポルバンダール / 海辺

         
  • 公開日:2014年3月24日
  • 最終更新日:2022年6月18日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時の1ルピー(Rs.と略す)のレートを約1.7円とお考え下さい。

2013年11月16日(土) ポルバンダール 晴

海沿いを歩く
途中海へ下りたら「女性用」と注意された。

〔以下メモに解説を加えて〕

2013年11月16日(土) ポルバンダール 晴

海沿いを歩く

久しぶりの肉料理で満腹となり、とりあえず海の方へでも行って見るかと歩き出した。
海は住宅街を抜けるとすぐだった。ホテルはこの海岸線が回り込んだ先だが、どうせ帰りはオートリキシャに乗ればいいのだからと、反対方向の西に向かうことにした。

道沿いに修理工場があったので、作業を見学し写真を撮る。
どうやら動力機器関連の部品を修理しているようであった。椅子に座って作業を監督(?)していた男が、こっちに来いと事務所に招き入れてくれた。
そして事務所の窓を指差すと、「どうだ、ここからの眺めは最高だぞ」と言う。
なるほど、椰子の葉越しに青い海が見え、まるで南国のリゾートホテルからの眺めの様である。

途中海へ下りたら「女性用」と注意された。

まったく知らないというのは恐ろしいことである。

修理工場を後にして再び海沿いの道を歩いていると、岩の多い海岸に4、5人の女の子がいるのが見えた。
見れば海岸に下りるコンクリート製の階段があったので、ならば自分たちも波打ち際まで行って見ようと階段を下りて行ったところ、女の子たちはこちらの様子をうかがっては一定の距離を保つように逃げて行ってしまう。その時であった、頭上から「ガールズオンリー!」という大きな声が聞こえた。
見上げれば先ほど下りて来た階段の上から、少年がこちらに向かって叫んでいる。
一瞬「なんだろう?」と思ったが、すぐに合点がいった。
というのも、この岩の多い海岸に下り、大きな岩を足場に波打ち際まで移動する間に、いくつか人が用を足したと思われる箇所があったのである。
つまりこの海岸はこの辺りに住む人たちのトイレであり、しかもこの区域は女性専用ということなのであろう。
そうとわかると急に恐ろしくなった。知らぬこととはいえ、私たちは決して踏み入れてはならない聖域にずかずか入り込んでいたのである。下手をしたら地域住民に袋叩きにされてしまうかもしれないのである。逆の立場だったら私もそうするかもしれない。
そこで少年に向かって大きな声で「アイムソーリー!」を繰り返し叫びながら大急ぎで階段を上がって行った。そんな私たちに少年は、いいんだ、大丈夫だよと優しく言ってくれた。
おそらく顔面蒼白になっていたであろう私の顔がそう言わせたのだと思う。
本当にすまなかった、その地域の婦女子の方々よ。

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