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インド:ホコラ守りの男はなぜか天カスをくれたのだ・街角の祠(ほこら)その5

         
  • 公開日:2008年4月18日
  • 最終更新日:2022年7月4日

私は写真を撮らせてもらったお礼を言い立ち去ろうとしたのですが、ホコラ守りのおっさんは「ちょっと待て」という仕草で私を引きとめ、紙袋からなにやらつまみ出すと私の手の平にそいつを載せました。手の平に載せられた物体は、いくつかの天カスでした。 そういえばそのおっさんは祠の掃除をしながら口をもごもご動かしていたのですが、どうやらこれを食べていたようです。

食べ物をくれるというのはひとつの親愛の表れですので、ここはひとつおっさんの好意に返礼する意味で、この天カスを笑顔でボリボリと食べてみせましょう。

それでは・・・ぱくっ。

うっ、

やわらかぁ!

しかも甘いよこれ・・・

食べ物というものはその味や食感が事前の予想を大きく裏切る場合、かなりの驚きとともに思わず口から吐き出してしまいたくなることがありますが、この時がまさにそれで、その姿かたちから天カスを想像し、香ばしい香りとサクッとした食感を想像しながら奥歯で噛んだ私は、さにあらず、ぐにゃっとした食感に加えその内部から染み出て来る甘い汁にぎょっ!としてしまったのであります。

まあきっと初めからそいつがぐにゃっとして甘いものだと知って食べていたなら、特に驚くこともなく結構おいしく頂けたと思うのですが、とにかくその時は驚きが先に立ってしまい、甘いものを噛んでいるにもかかわらず苦虫を噛み潰したような顔になってしまったわけです。

それでも何とかすぐに笑顔に戻りおっさんにもう一度お礼を言うと、あいかわらず賑やかな音楽を流し続ける祠を後にしたのでありました。

*一連の祠のお話しはこれでおしまいです。

インド先住民族の工芸品ドクラ