水分補給はわすれずに・インドの飲料水

日本でも「熱中症対策には適度な水分補給を」なんてことが盛んに言われるが(ちょっと季節外れな話題だけど)、暑くて乾燥しているインドではなおさらである。

でも日本とは違い、やたらな水は飲めない。
たとえ「Drinking water(飲料水)」なんてわざわざ書いてある水道でも、ましてや道端に置いてある施しの水などは、旅行者は避けた方が無難であろう。

インドの道端の水瓶

道行く人にふるまわれる水瓶の水はちょっと魅力的ではある。

ではどうしたらいいかと言えば、それはやはりお金を出して安全な水を買うことである。

で、そういう水をつい「ミネラルウォーター」と言ってしまうのだが、あくまでもミネラルウォーターは地下水を基にしたものということで、日本でもそうでないものは「ボトルドウォーター」と呼ばれている(らしい・・・実際にそう呼ばれているのを聞いたことないけど)。
でもって、インドではそういうのを「パッケージド・ドリンキング・ウォーター(Packeged Drinking Water)」として売られている。

インドのペットボトル入り飲料水

今やインドでもいろいろな種類の水が売られるようになった。

一昔前はこういうペットボトル入りの飲料水を買う時には、必ず栓の封印が切られていないか(つまり詰め替え品でないか)を確かめたをものであるが、今ではいろいろな種類のものがごく普通に売られるようになったので、よほど怪しいところで買わない限りまず大丈夫かと思う。

それでも心配な人には、詰め替えがまずできないビニールパックの水をお勧めする。

インドのビニール袋入り飲料水

袋詰めの飲料水は手軽で庶民の味方なのだ。

このビニールパックの水は飲み切りサイズで値段も安く(10ルピー、約16円ほど)、売る方もバッグに無造作に放り込んで売り歩けるので便利なのだ。

飲むときには袋の一部を歯で噛み切って穴を開ける。
私などはそのまま袋にしゃぶりついて飲むが、インド人の多くは大きく開けた口めがけて放水する。
ただし歯で開けた穴なので水が真っ直ぐに、また一本の放物線で放出されるとは限らないので、飲み始めは口の周りや服の胸元までも濡らすことがあるので要注意なのである。

シンプルデザインの真鍮製シンギングボウル

2016年グジャラート再訪・第29回 / ジュナーガルのおやつ・その3

ウパルコート砦を出て、なんとなく坂道をだらだら下りて来たら生ジュース屋に行き当たった。

インドの生ジュース屋

手動のミキサー一つの屋台と違い、ここではいくつもの電動ミキサーが並ぶ。

ちょうど喉も乾いていたのでそのまま入店し、奥の席に座る。

インドの生ジュース屋

こうした店では通りが眺められる席が良い。

メニューを見たら屋台のジュース屋と比べ値段がだいぶ高かった。だいたい倍くらいだろうか。
もちろんゆっくり座って飲めるし、衛生環境もだいぶ違うのだろうから高いのは当然なのだが、そういう事もなにも考えずに入ってしまったので、メニューを見てちょっとうろたえてしまった。

インドの生ジュース屋

屋台のジュース屋との違いは値段にも表れる。

一通りメニューを眺めたが、食に関しては一切冒険をしない人間なので、定番のオレンジジュースにした。
このグラスで70ルピー(約112円)である。

インドの生ジュース屋

グラスもおしゃれである。

メニューにあった「 MOSAMBI 」(たぶん「モサンビ」と発音するのだと思う)というのが気になり、帰りがけ店員に聞いてみると「スイートライム」のことだと言い、カウンターの上に積んであるものを指差した。
見れば真ん丸のオレンジのようなものであるが、味はオレンジとどう違うのだろう。

インドの生ジュース屋

見た目は普通のオレンジにしか見えない。

モサンビを教えてくれた店員は、チックーの皮むき作業の真っ最中だった。
チックーというのは、見た目がジャガイモみたいなものだが一応フルーツで、この店ではミルクシェークで出しているようだった。

インドの生ジュース屋

ジュース屋の主な仕事は皮むきかもしれない。

モサンビは知らなかったがチックーは知っているので、皮むきしている店員の手元を指差して「チックー、チックー」と子供のように繰り返すと一切れくれた。しかしいい大人のやることではない。

インドの生ジュース屋

チックーは不思議な味なのだ。

肝心のチックーの写真がボケてしまったが、味の方もボケたものである。
あまり上手く表現できないが、干し柿のような味と食感というのがまあまあ近い表現だろうか。

でもどうせくれるなら、モサンビの方が良かったな。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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2016年グジャラート再訪・第28回 / ジュナーガルのおやつ・その2

ウパルコート砦でようやく見つけた落花生は生っぽくて食べられず、それじゃもうひとつの好物を食べるかと、こちらの店に来た。

これはトウモロコシ屋である。
インドのトウモロコシ屋は焼くのとゆでるのがあるが、ここはゆでトウモロコシである。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

ウパルコート砦にはたくさんの観光客がいたが、この店にはまだ客がほとんど来ていなかった。

どうやらこの店は家族で切り盛りしているらしく、奥さんらしき人がトウモロコシの皮をむき、それをおやじが釜でゆでている。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

家族一丸となって働いている店はつい応援したくなる。

そして息子も手伝っている。
しかしこれをひとくくりに児童労働と非難するなかれ。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

きっと今は学校もディワリのお休みなのだろう。きっとそうに違いない。

なにしろおやじは左腕にギプスをし、首から吊っているのだ。
つまりこの少年はまさしくおやじの片腕としてがんばっているのである。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

少年は無理やりやらされている風ではなく、本当に一生懸命働いていた。

そうこうしているうちに、私のトウモロコシが出来上がって行く。
これは最後の仕上げ、塩と唐辛子の粉をレモンに付け、それをごしごしトウモロコシにすり込んで行く作業だ。担当は少年である。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

初めの頃はこのサービスはありがた迷惑に思ったものである。

実は私は初めの頃これがダメだった。
なにしろ何度も使ったくちゃくちゃのレモンで、得体のしれない粉(当時の私はその茶色がかった粉が塩だとは思えなかった)をトウモロコシにすり込むのである。バッチイというのもあるが、それよりトウモロコシにレモンはないだろうと思っていたので、いつもそれは断ってなにも味のないものを食べていた。

ところがある時、私が制止する前にごしごしやられてしまい、仕方なくそれを食べたのだが、あ~ら不思議、レモンの酸味と塩味が混ざり合うと、なんとなく醤油みたいな感じになるのである。(その時は唐辛子はなかった)
それ以来この味付けがすっかり気に入ってしまい、たまに気の利くトウモロコシ屋が「レモンはどうする?」と聞いて来たりするが、ガシガシごしごしやっちゃってと頼むほどになった。

インド、グジャラートのトウモロコシ

この黄色がインドの大地によく映えるのだ。

このトウモロコシは10ルピー(約16円)だが、値段はサイズによって変わる。
この店ではトウモロコシを紙皿に載せてくれたが、通は捨ててあるトウモロコシの皮の中からきれいそうなのを選んで拾い、そいつで包んで食べたりする。それが粋なトウモロコシっ食いてもんでい。てやんでい、べらぼうめい。

とにかく店の奥にある椅子に座り、トウモロコシをゆっくり食べる。
まだ下痢が治り切っていないので、本当にゆっくりしっかり咀嚼しながら食べる。

客は客を呼ぶ。特に外国人が食べていると、インド人たちはそれを目ざとく見つけ、われもわれもと店に殺到する。

インド、グジャラートのトウモロコシ屋

お客はお客の招き猫、千客万来商売繁盛で笹持って来い、なのだ。

まあ、そうすぐにはやって来ないかもしれないけど、なるべくゆっくり食べて、少しでも客を呼び込む手助けができたらいいなと思うのであった。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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真鍮製のアンティーク弁当箱

2016年グジャラート再訪・第27回 / ジュナーガルのおやつ・その1

私はジュナーガルに着いてから、ずっとあれを探していた。
というのも、バスでジュナーガルに来る途中で、それを見かけたからである。

最初は車窓から見た畑だった。
畑のところどころに、なにやら小山のようなものができていた。
それを見たとき、もしやと思った。なにしろ窓から入る風の中にも、それの匂いを感じ取ったのである。

インド、グジャラートの落花生畑

沿道には子供の頃の記憶を呼び覚ます光景が続く。

そしてバスが山のような荷を満載したバイク型三輪を追い抜くとき、はっきりこの目でそれを確認した。

インド、グジャラートの落花生

子供の頃、まさしくこういう光景を何度も目にしていた。

それは落花生である。
畑にあった小山は、掘った落花生を乾燥させていたのである。
風で運ばれて来た匂いは、もちろんあの煎った芳ばしい落花生のものではなく、ほとんど土の匂いなのだと思う。
でもそれは私が子供の頃に見た秋の風景であり、匂いそのものだった。私が育った町は落花生の生産が盛んだったのだ。

インド、グジャラートの落花生

かつてのアメリカ合衆国カーター大統領も落花生を作っていた。そしてかつての日本の総理大臣はアメリカの会社からピーナツをもらっていた。

なのでジュナーガルには落花生を売る店がきっとあると思って探していたのだが、ようやくそれをウパルコート砦の中で発見したのであった。

インド、グジャラートの落花生屋

ようやく見つけた落花生売りの屋台。おっさんは新聞を読んでいるのではない。包装紙を作っているのである。

こうしたインドの屋台の豆売りは、さやをむいた豆を鉄鍋に入れた砂で煎るというのが多いのだが、この店ではさやごと煎っていた。

インド、グジャラートの落花生

落花生はさや煎りが一番おいしい。ちなみに二番目はゆで落花生なのだ。

値段はわからないがそんなに高いものではないはずである。なにしろインドは落花生の生産量で世界第二位であるし、実際袋詰めのものなどはそこらじゅうで売られている。またちょっと気の利いたレストランでビールを注文すると、サービスでピーナッツがどっさり出て来たりする。

こうした量り売りのものを買う時には、先にお金を出して見せ、その分だけもらうのがいい。
今回はとりあえず10ルピー札を出してみた。

ひとつかみほどの落花生が新聞紙に載せられて差し出された。
その写真を撮ろうとすると、落花生屋のおっさんが慌ててなにやら言う。

インド、グジャラートの落花生屋

ちょっと待ってくれと落花生屋は言った。

写真を撮ったのがマズかったのかと思ったらそうではなく、撮るならちゃんと手渡しているところを撮れとのことで、一旦私の手から包みを取り上げ、あらためて手渡してくれた。
お気遣いありがとうございます。

インド、グジャラートの落花生屋

へい!お待ち!と落花生屋は言った。

さっそくさやをむいてみたら・・・ん?

これも落花生の産地で育った人間なのでよく知っているのだが、この色はまだ生である。生の落花生を知らない人でも、良く煎ったものとはだいぶ色が違うのがおわかりになるだろう。そう、普通よく見かける物は渋皮が赤茶色になっているのだ。

インド、グジャラートの落花生

むむ、なんだか思っていたのとは違うのだ。

まだ下痢も完全には治っていないし、「生で食べたら腹をこわすぞ」と言われて育って来たのでちょっと躊躇してしまったが、そもそも待ち切れずに店の真ん前でむき始めていたので、食べないわけにはいかないだろう。あの気配りのできる豆屋のおっさんだってまだ見てるし。

むいてしまった落花生を口に入れて噛むと・・・う~ん、やっぱりこれは生である。畑に取り残されたものを拾って食べたことがあるので知っている。

口に入れた分はちゃんと飲み下し、豆屋のおっさんに「グッドだ」とうそを言い、残りの豆は新聞紙で包んでかばんにしまいその場をあとにした。

どこかに捨ててしまおうと思っていたのだが、なんだか捨てるのは気が引けて、ホテルまで持ち帰った。
そしてその夜、一人で特にすることもないもので、なんとなく落花生をむいて口に入れたら、まあこれはこれで食べられないことはない。いや、実際ああして売られているものなのだから、食べられるはずなのだ。確かに良く煎ったものと比べたら生に近いかもしれないが、一応火を通してはあるのだし・・・

なんて考えながらぽつぽつ食べてたら、新聞紙の中はいつの間にか成長不良の小さな落花生がひとつ残るだけとなり、それだけ捨てるのも忍びないので、爪の先で一生懸命さやを割り、結局全部食べてしまったのであった。

食べ物を粗末にすると罰が当たるかもしれないが、全部食べたら食べたでやはりなにかしら当たりそうな気がする。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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木彫りのガネーシャ

2016年グジャラート再訪・第24回 / ジュナーガルでの食事

今日はまだポテトチップスとジーラ・マサラ・ジュースをお腹に入れただけなのでさすがに腹が減った。

下痢はまだ完全には治り切ってはいないが、だいぶ快方に向かっているようで、なんだか無性に肉が食べたい。食べたいったら、食べたい。これは私のワガママなどではなく、体からの要求なのである。

三年前にジュナーガルに来た時は、ベジタリアンの定食屋しか見つけられなかったのだが、実は肉屋らしき店は見かけていた。

場所はバススタンドからメインストリートを東に5分ほど歩いた辺りである。
そこでメインストリートは大きく左にカーブし鉄道駅へと至り、メインストリートから外れて真っ直ぐ進むと、この街一番の観光名所ウパルコート砦に至る。
そのウパルコート砦へ続く道の入り口辺りで、その店を見たのであった。

インド、ジュナーガルの肉屋

この界隈は食料品を中心とした店が集まっている。またこの少し先には市場もある。

もっとも肉屋と言っても店先に生きたニワトリの入った籠が積まれ、看板にニワトリの絵が描いてあるというだけの店で、はたしてそこが本当に肉屋なのかは確認しなかった。でもそこが肉屋なら、たぶんその近くには肉料理を出す食堂もあるだろうと見当をつけていた。

はたしてニワトリの絵の看板を掲げる店は、三年前と同じ場所にあった。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

ここが肉屋だとすると、きっとこの辺りに肉を食べさせる食堂があるはずなのだ。

看板はグジャラート語で書かれているので「&」しか読めないが、看板にはニワトリと玉子の絵が描かれているので、普通に考えればここは肉屋かペットショップのどちらかであろう。そしてさらにごく常識的に考えれば、ここは紛れもなく肉屋に違いないのである。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

材料があればその製造物もあるはずなのだ。

とにかく適当に見当をつけ、その辺りの路地に入って見る。
するとわりとすぐに料理の写真をたくさん掲げた店を発見した。
看板の写真からは「肉」が使われているかどうかは判らず、またグジャラートの文字からは何も伝わって来ないが、私の鼻が確かに肉の匂いをかぎ分けた。

入り口で揚げ物を売っているおっさんに「ここはノン・ベジレストランか?」と尋ねると、そうだとの答え。ピンポ~ン!である。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

ちょっと入りづらい雰囲気だったが、肉の魅力はそれより強い。

それほど広くない店内はほぼ満席であったが、一番奥のテーブルが空いていた。
殺風景な店内は薄暗く、見たところ客層もそれほど良いとは言えないようだが、インドの地方都市としては標準的な定食屋といったところか。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

たくさんの人が黙々と食事をしている。

メニューなんて見てもどうせ何もわからないので、周りの人が食べているものを指差して「あれは何か?」と尋ねると、それはチキンビリヤーニだという。
ビリヤーニは炊き込みご飯のことなので、米好きの私には願ったりかなったりである。迷わずそれを注文する。

値段はオニオンスライスがついて30ルピー(約48円)。
量は多くないが、今の私にはちょうどいいサイズである。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

ちゃんと大きなチキンがいくつも入っていてエライのだ。

腹が減っていたこともあるが、それを差し引いてもなかなかうまい。
フライドライスではなく炊き込みご飯というところもいいが、入っている肉がぐにゅぐにゅしていて私好みである。いったいどこの部位なのだろう。

あまりのうまさに心から感動し、わざわざ厨房のおっさんにお礼を言った。
それにしても汚いTシャツだなあ。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

服はちょっとバッチイが、いい仕事してるぜ、おっさん!

もちろん次の日も同じ食堂に行った。

ところが意気揚々と「チキンビリヤーニ!」と注文する私に、店員は無情にも「ない」と言う。
昨日より早い時間に来たのにもう売り切れなのかとがっかりしたら、そうではなくて、その日はマトンビリヤーニの日だったのである。どうやらビリヤーニの具は日替わりのようである。じゃあ明日はビーフかポークかな。

マトンビリヤーニも30ルピー(約48円)だった。
そしてその味もやはりチキンビリヤーニに勝るとも劣らないうまさであった。

インド・ジュナーガルの大衆食堂

チキンもうまいがマトンもうまい!

いくらインドといっても、いま時たったの30ルピーでこれが食べられるなんて、実に素晴らしい食堂なのであった。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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木彫りのガネーシャ

これはインド版青汁といったところか・インドの清涼飲料水 “Jeeru”

インド滞在ではいつものことではあるのだが、今回はまた特にしつこい下痢に悩まされていた。

そんなある日、滞在していたホテル前の小さな店でこんなものを見つけた。

インドの清涼飲料水"Jeeru"

はたして次にインドに行った時も売られているだろうか。

商品名は「Jeeru」、たぶん「ジール」と読むのだろう。
もしかしたら日本語の「汁」から来たのかもしれない。

で、こいつが何かというと、ジーラという植物の種子(果実)を使った清涼飲料水なのである。ラベルにも「ジーラ・マサラ」と書いてある。なので日本語の「汁」語源説はちょっと遠のいた。

ジーラという名前に聞き覚えがなくても、クミンといえばおわかりになる方もあるだろう。
クミンはセリ科の植物で、カレーの材料にも使われる。ちょっと苦みがあり薬臭いが、胃の働きを助ける薬効もあると言われている。

ということで、もしかしたらこれを飲めばこのしつこい下痢も治まるかも、と思ったわけである。溺れる者は藁をもつかむ、下痢する者はわらわでありんす、なのだ。

でもちゃんとした薬ではないので味も重要である、なにしろ薬として飲むには量が多すぎる。それに本当はのどが渇いているのでコーラを買おうと思っていたのだ。

そこで店のあんちゃんに味を確認すると、「すごくうまい!」と太鼓判を押された。

ホテル前の売店のあんちゃん

あんちゃんは胸を張って「すごくうまいぞ!」と言った。

値段も10ルピー(約16円)とお手頃だったので買うことにして、さっそく部屋に戻って飲んだ。

う~ん・・・不味い。

なんだか醤油を水で薄く割って胃散を振りかけたような味がする。
彼は本当にこれがうまいと思っているのだろうか・・・

しかし味覚は人さまざま、食事はその国、地域の文化であるので、よそ者がどうこういうものではない。インド人は毎日カレーを食べているので、こういう味には慣れているのだろう。

そもそもカレーは薬膳料理であり、各種スパイスは味を調えるだけでなく体の調子も整えてくれるといわれている。
ところがインドでも近年の経済発展により、その伝統的食生活が崩れて来ており、糖尿病患者なども急増しているそうである。
なのでこのジーラ・マサラ飲料は、そうした現代人が「う~ん、本当はコーラが飲みたいんだけど、体のことを考えるとジーラ・マサラにしておこうかな」という心理的作用を狙った商品なのだろう。そして私は、まんまとその作戦に乗っかったというわけである。

なかなかやるな、インド商人!

南インドの休日:その24 / コヴァラムビーチのシーフード

コヴァラム・ビーチでの食事といえばやっぱりシーフードである。なんたってビーチリゾートなのだから。

まあさすがに朝食や昼飯は簡単なもので済ませてしまうのだが、日が暮れ始めるとビーチサイドのレストランはにわかに活気を帯び、客引きのあんちゃんに店の前に並べられたいろいろな魚を見せられてしまうと、もうその誘惑から逃れることはできないのである。南インド、コヴァラムビーチのシーフードまあその状況はコーチンでも同じようなものではあるのだが、あちらは主に漁船が獲って来た魚であるのに対し、こちらは本当に目の前の海に引き上げられた魚であるという違いがある。

そう、ここはビーチリゾートでありながら、その浜辺では毎朝せっせと地引網漁がおこなわれているのだ。南インド、コヴァラムビーチのシーフード地引網漁は船が沖合で網を投下し、その両端に付けられた長いロープを浜辺でエイホエイホと引っ張るという漁である。南インド、コヴァラムビーチのシーフードさらにここでは網が浜辺に近づいて来たところで、数人の男たちが海に入って一列になり、沖に向かって奇声(と言ったら失礼かもしれないが、なんせ言葉がわからないのでそうとしか表現できない)を挙げながら両手でバンバン水面を打ち、魚を網の方に追いやっていた。まあ山の猟での勢子みたいな役割なのだ。南インド、コヴァラムビーチのシーフード実際にはかなりの時間をかけてではあるが、とにかくこうして網が浜に引き上げられ、いよいよこれから釣果(?)発表である。南インド、コヴァラムビーチのシーフードこの日はイワシのような魚がたくさん獲れていた。
すかさず何人かの漁師が網の中に入って行き、素早い手つきで魚を箱に入れていく。はたで見ているとちょっと面白そうに見える。南インド、コヴァラムビーチのシーフードしかしその作業は、元気よく跳ねる魚がまき散らす大量の鱗で、全身銀色になりながらの大変なものなのである。南インド、コヴァラムビーチのシーフードしかも銀鱗マンたちは単に魚をすくい取っているだけではなく、ちゃんと種類別に仕分けまでしていたのである。すぎょいですねえ~南インド、コヴァラムビーチのシーフード獲物の多くは小さめの魚であるが、南インド、コヴァラムビーチのシーフード中にはこんな大物も混ざっていたりする。
でもさすがにこれくらいの大物は珍しいらしく、こいつが網の中から姿を見せた時には、漁師たちから一斉に歓声が上がった。南インド、コヴァラムビーチのシーフードとまあ、このような光景が毎朝リゾート客の目の前で繰り広げられるわけで、これを見たらシーフードを食べたくなるのは当たり前なのだ。

なので今夜もまた、素晴らしい恵みを与えたもうた海に感謝をしつつ、ビール、いや、ポップジュースのマグカップを傾けるのである。かんぱ~い!南インド、コヴァラムビーチのシーフード

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南インドの休日:その15 / フォート・コーチンのビーフカレー

マッタンチェリーからフォート・コーチンに戻り、ちょっと遅めの昼食を取ることにした。

行ったのはここ、四年前に泊まっていた宿「エリート・ホテル」である。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂インドでは「Hotel」の看板が出ていても宿ではなく、ただの食堂だったりすることも多いのだが、ここは両方ともやっている。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂ちなみにこれが四年前に泊まった部屋。
エアコン付のトリプル(ダブルベッドx1、シングルベッドx1)の部屋なのだが、その時はそこしか空いておらず、1200ルピー(2010年当時で約2400円)だった。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂この部屋には大きな窓があるが、母屋の瓦屋根しか見えない。
まあ見晴らしは悪いが、外から見られる心配もないということなのだ。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂で、その母屋が通りに面したレストラン&ベーカリーということになり、その品ぞろえから宿泊者だけでなく別のホテルに泊まっている外国人旅行者などにもよく利用されている。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂これはココナッツ・ケーキ(15ルピー、約30円)である。
こういうスイーツが食べられるのも、外国人受けする理由なのであろう。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂しかし私がわざわざこの店に来たのはケーキやパンを食べるためではない。
本当のお目当てはこれ、ビーフカレー(150ルピー、約300円)なのである。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂そんなことを言うと、

えっ? インドにビーフカレーがあるの?

と驚かれる方もあろうかと思う。

確かにインド国民の大多数が信仰するヒンドゥー教では牛は神聖なる動物であり、殺して食べるなんてことはもっての外である。
しかしインドにはヒンドゥー教徒と比べたら少数派であっても、人数で見ると日本の人口と同じくらいのイスラム教徒もいるし、またここケララ州にはその歴史的背景からキリスト教徒も結構いるのである。
なのでいろいろな宗教が同居しているのと同様に、食材もいろいろあってもいいわけである。

ただしインドでは「ビーフ」と書いてあっても、本当に牛の肉かどうかはわからない。
一番可能性が高いのは水牛の肉で、そういう場合はちゃんと「バフ」( Buffalo の略)と明記している良心的な店もある。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂ここエリート・ホテルのメニューには「バフ」ではなく「ビーフ」と書いてあった。
別注のプレーンライス(70ルピー、約140円)と合わせて皿に盛ると、ほ~ら、カレーライスの出来上がりだい!

お肉もごろごろ入っていてボンカレー・ゴールドのようである。
思わずあの往年のCMに出ていた少年のばか丁寧口調で、「王さん、どうしてボンカレー・ゴールドはおいしいんですか?」と言ってしまいそうになる。あれは日本国民みんなが牛肉に憧れていた時代であったのだ。南インド、ケララ州、フォートコーチンの宿と食堂そんなインドのビーフカレーのお肉はなかなか噛みごたえがあった。
ボンカレー・ゴールドが牛肉以外のお肉をいっさい使用していないのに対し、もしかしたらこのエリートカレーは牛肉以外のお肉を使用しているのかもしれない。
でもいいのだ、インドでビーフもしくはそれにごく近い種のお肉が食べられるのだから。

とまあ、そんなささやかなインドの食肉事情なのであるが、最近のニュースではそれすら全面的に禁止すべしとの動きがあるのだとか・・・

だとするとノン・ベジの酒飲みには、ますます旅しづらい国になってしまうなあ、インドは。

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シンプルデザインの真鍮製シンギングボウル

それはこうです!たぶん:【今回のテーマ】チョーメン

 このコーナーは当サイトに関する最近の検索キーワードの中から、「これはいっちょちゃんとお答えしとかなきゃいけませんね」というものをピックアップして、頼まれてもいないのに勝手に回答してしまうコーナーです。
 そもそもその検索キーワードを打ち込んだ方はすでに当サイトを訪れ、そしておそらくがっかりされて去って行かれただろうと思いますが、あえてそのさみしげな背中に向かってお答えさせていただきます。
「それはこうです! たぶん」

今回取り上げる検索キーワードは

「チョーメン」

です。

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インドの食べ物と言ったら「カレー」と答える人は多く、またそれは事実であり、実際インド人は(いわゆる)カレー味の食事をよく食べる。

しかしインドの食事は当然それだけではなく、そのひとつが今回のテーマのチョーメンである。

私もカレーが好きだが、それは日本のカレーライスであり、インドで毎食カレー攻撃を受けたら一日で参ってしまう。
じゃあインドに行ったとき何を食べるかと言うと、それはチョーメンとなる。

一言で言えばチョーメンは焼きそばである。二言で言っても焼きそばである。三言で言っても四言で言っても焼きそばだったら焼きそばなのである。
それはもともと中華料理の炒麺(チャオミエン)がルーツなので納得なのである。

その炒麺がインド庶民にすっかり浸透しチョーメンとなり、今では安食堂の定番メニューにもなっているので、私などは実にありがたく思うのである。インドの定番中華チョーメンで、私も町内会の夏祭りで焼きそばを焼いた経験を持つセミプロだが、あまり料理には興味がないため、これ以上「料理としての」チョーメンを語れない。
なのでここからはインド全土(ちょっと大げさだけど)で私が食べたチョーメンのごく一部を写真で紹介させて頂くことにする。

まず始めはニューデリー駅近くの小奇麗な食堂で食べたチョーメンである。
具にはチキンが入っているが、焼き色がついていたので、店先に吊るされていたタンドーリチキンの残りなのだろう。インドの定番中華チョーメンこれは湖に浮かぶ白亜のホテルで有名なウダイプールで食べたチョーメンである。
ホテルの屋上のレストランで食べたのだが、もちろんそのホテルは湖に浮かぶ高級ホテルなどではなく、エレベーターもないような小さなホテルで、屋上まで階段でえっちらおっちら上って行ったのであった。インドの定番中華チョーメンこちらは砂漠の城塞都市ジャイサルメールで食べたチョーメンである。
一見うまそうに見えるかもしれないが、それは気のせいである。インドの定番中華チョーメンこれはパキスタン国境に近い町バルメールで食べたチョーメンである。
観光客などまずいないバルメールにあって、一番新しくきれいなホテルのレストランのものである。
でも泊まったのはそこではなく、もっとばっちい、いや、由緒あるホテルだった。インドの定番中華チョーメンこれはグジャラート州アーマダバードで食べたチョーメンである。
見てもわかる通りねっとりしたあんかけ風でおいしかった。インドの定番中華チョーメンこちらも同じくグジャラート州のジュナーガルで食べたチョーメンである。
トマトケチャップ味だったが、あまりうまくなく半分方残してしまった。インドの定番中華チョーメンこれは世界遺産の点在するオールド・ゴアで食べたチョーメンである。
この時の同行者はフィッシュ・カレーを注文したが、丸ごと油で揚げた魚に閉口し、このチョーメンをうらやましそうに見ていた。インドの定番中華チョーメンこれはそのゴア郊外にあるリゾート地カラングート・ビーチのチョーメンである。
実は私はここではビールを飲んでいてこのチョーメンを食べていない。
これは前出の同行者が注文したものなのだが、オールド・ゴアのフィッシュ・カレーに懲り、あらためてチョーメンの偉大さに気付いたということなのだ。インドの定番中華チョーメンこれは水郷の町アレッピーで食べたチョーメンである。
もやしがたくさん入っていてうまかった。インドの定番中華チョーメン写真がちょっとボケてしまったが、これはスリランカに近いラーメシュワラムで食べたチョーメンである。
ちなみに皿の下に敷かれているのは、バナナの葉に見立てた蠟引きの紙である。
この食堂ではその紙の上にご飯とおかずをよそって食べる「ミールス」と呼ばれる南インドの定食がメインなのだが、注文したのがチョーメンだったので、店の人は拍子抜けしていたようだった。インドの定番中華チョーメンそして最後に紹介するのは、デリーの動物園の入り口付近にある食堂のチョーメンである。
どこの国でも選択肢のない場所の商売は客の足下を見るものだが、ここのチョーメンも見事なくらい具が入っていない。
しかし私にはこのほぼ具なしのチョーメンが本当においしく感じた。
なにしろ私は日本でもたくさん具の入った焼きそばが嫌いで、とにかく麺をたくさん食べたいのである。
なのでこのデリー動物園のチョーメンは、私にとってはインドにおけるベスト・オブ・チョーメンと言っても過言ではないのである。インドの定番中華チョーメン

以上、少しでもお役に立てたら幸いである。

南インドの休日:その10 / フォート・コーチンでビールとシーフード

それではいよいよお待ちかねのビールの飲めるシーフード・レストランに入ることにしよう。
なお、写真は必ずしも話の進行順で撮られていないため、空の明るさが行ったり来たりするが、その点ご了承願いたい。

やって来たのはその名も「コーチン・フォート」というレストランである。
夜ともなるとワイン&ビールという電光看板がよく目立つが、明るい昼間はこの前を通ってもちっとも気づかなかった。
南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストラン店に入るとすぐに魚を並べたショーウインドウがある。
そこで食べたい魚を選んで店員に言うわけである。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストラン魚もいいけどやはりエビは外せない。
しかし物価の安いインドでしかも産地といってもエビは高い。なんとこの一尾が100ルピー(約200円)もした。
もっともその値段には調理代と席料が含まれてはいるのであるが。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランということで、赤い魚とエビを6尾選んだ。
赤い魚は1200ルピー(約2400円)だった。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランこのレストランにはオープンエアのテラス席もある。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランでも屋根の下の席の方が雰囲気がいい。
まだ店内はガラガラだったので、南国風の中庭の見える席に着く。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランなんといってもまずはビールである。
昼からずっと我慢して来たので格別である。
ちなみにビールはキングフィッシャーの大瓶(650ml)が200ルピー(約400円)だった。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランインドに行ったらビールのお供はこれ、パッパルである。
パッパルは豆の粉を練って薄く丸く伸ばしたもので、食べる直前に直火で軽くあぶる。パリパリとした食感と練り込んだ胡椒のピリピリ感がたまらなくうまいのだ。
ただしたまに火であぶらずに油で揚げたものが出されることもある。そいつはぷっくりとふくれていて若干やわらかく、しかも油っこいので好きではない。
なので私は必ず「ローステッド・パッパル」と念を押すようにしている。
ちなみにこのくらいの店だとパッパルはサービスで出してくれたりするが、注文してもたいした金額ではない。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランこれは野菜サラダである。値段を書き留めるのを忘れてしまったが、たぶん100ルピー(約200円)ちょっとだと思う。
インドではよくキュウリやニンジン、玉ねぎやトマトをスライスしたものを「サラダ」と称して出して来る。
でもこうしたニンジンやキュウリに塩を振って食べるのもなかなかいけるし、ビールのつまみにもなる。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランいよいよ注文した魚が出て来た。
これはサッパリした味付けにしてもらったが、生臭さもなくおいしかった。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランそしてこちらがメインのエビである。
これはタンドーリ・プロウンということで、スパイスの効いたソースに漬け込み、タンドール(石釜)で焼いたものである。つまりタンドーリ・チキンのエビ版なのである。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランピリ辛のスパイスとほどよく着いた焦げめが実にうまい!南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランと、だいぶ食事も進んだ頃、店員がなにやら煙の出るお盆を持って店内を回り始めた。
聞けばこれは虫除けとのことであったが、私としてはそろそろ食事が終ろうとしている頃に煙をもくもく焚かれても迷惑なだけなのだ。南インド、ケララ州、フォートコーチンのチャイニーズ・フィッシングネットそばのシーフードレストランしかしインド人や欧米人は宵っ張りなので、この店が本格的に忙しくなるのはこれからなのである。

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シンプルデザインの真鍮製シンギングボウル